精神科閉鎖病棟にて
2008 / 09 / 13 ( Sat ) 精神科の閉鎖病棟で実習しました。
この病棟の患者様は、退院予定がないので閉鎖病棟内は、生活の場となっています。
統合失調症や人格障害、精神発達遅滞・ダウン症・・・などで人格レベルが低下してしまった精神病慢性期の患者様の生活とその援助を学びました。 とにかく鍵の管理!そして排便・排尿の掃除。環境整備と清潔援助が大切でした。 抗精神薬を長期服用し続けなければならないので、副作用もあり下剤の量も大量でした。 そのうえ、排泄行為が自己管理できていない患者様が多く、壁や床、ベッド・寝具・衣類・皮膚などに便付着があるので、一日の大半は掃除をしていました。 数年~数十年も入院して、一生を閉鎖病棟で過ごす患者様達は、長い生活歴の中で患者同士の名前を覚え家族のように暮らしていました。 激しい暴言・暴力行為があったり、無為になって反応を示さなかったりと色々な面を見せながら生きる患者様と関わるのは、緊張と恐怖の連続でもありましたが、人間対人間のぶつかり合いでもあり、患者様もそうした不安定な感情に悩まされながらも必死に助けを求め頑張っているので、2週間の実習で雰囲気には慣れてきて、患者様との楽しい触れ合いもありました。 入院生活40年以上・・・統合失調症の80歳の患者様の作品を紹介します。 題名「やっこさんの部屋」 ![]() 「おうちでくつろぐやっこさん」 ![]() 椅子やテーブル、洋服箪笥、やっこさんと袴・・・すべて基本はやっこ折りで出来ています。 精神病の患者様は、感性が豊かで繊細な芸術感覚を持っている人が多く、作業療法で制作する作品も素晴らしいものが沢山ありました。 でも頑張り過ぎて挫折してしまった方々が多いので、無理は禁物です。 今回の実習では、看護師長さんをはじめ、指導者の主任さん、全てのナースやヘルパーさんが実習生をきちんと受け入れ、親切に指導して下さいました。 さすが・・・!全国的にも伝統と実績を誇る精神病院の対応は、大きな励みになりました。 ![]() ハッピーを可愛がって下さって、時々預かって遊んでもらっていたS様(Sパパ)が抗がん剤治療直後に急変し亡くなりました。・・・2月に胸腺癌・肝転移の診断で余命2ヶ月を宣告されながらも前向きに治療を続けていましたが、肝臓に抗がん剤を入れて退院し3週間後に容態は悪化してしまいました。 「ハッピーはいいなぁ・・・元気で・・・」最期にかけていただいた言葉も笑顔でしたね。 頑固一徹だったのに、犬には優しかったS様・・・。闘病お疲れ様でした。 きっと天国でS様が愛したハスキー犬達がS様を優しく迎えたことでしょう。 ご冥福を心よりお祈り致します。
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--心の病--
ドクターカルテに「人格水準の低下が著しい」って書いてあるんです。 人間の理性とか人格とか・・・目に見えない心の病は、患者様の苦しみや不安も理解しにくく難しいと思いました。
by: チル * 2008/09/14 08:30 * URL [ 編集] | page top↑
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今、メンタルヘルスの分野がはやってきてますね。 閉鎖病棟というのはその先にある場所というイメージです。 普通の患者さんのお世話も大変ながら、こういう場所での看護は驚きの連続でしょうね。 頑張ってるチルさん、凄いです。 S様の御冥福をお祈りいたします。 |
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